http://www.sankei.co.jp/news/050425/sha087.htm
置き石?レールに粉砕痕 JR側「関係不明」
「新しい事実ですが、レール上に粉砕痕を確認しています」。JR西日本は25日午後、大阪市北区の本社でこの日3度目の記者会見。村上恒美安全推進部長が、事故原因との関係は不明としながらも、置き石があった可能性を示唆する発言をした。
報道陣から「見つかった場所はどこか」「線路内は人が立ち入りできる状況か」と質問が飛ぶ。JR側は「事故との関係は不明。(国土交通省の)事故調査委員会の調査を待たなければ」と繰り返した。会見は1時間に及んだが、もどかしさだけが残った。
冒頭では「亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被害者、ご家族におわび申し上げる」と過去2回の会見と同様の言葉で謝罪した。
2002年11月、事故のけが人を運ぶために出動した救急隊員2人が特急にはねられ死傷するなど、大事故が後を絶たないJR西日本。安全に対する意識や組織の体質を問う声も上がったが、村上部長は「その都度、指導している」と答えるばかりだった。
≪マンション60m手前で脱線か≫
JR西日本によると、石が砕けたような跡の約10メートル先から、電車が衝突したマンション付近まで約60メートルにわたり、枕木に傷が付いていた。脱線はマンションの約60メートル手前とみられる。
◇
JR西日本が25日行った会見の一問一答は次の通り。
垣内剛社長 何よりもまず、負傷されたお客さまの救援に全力を尽くす。亡くなった方やご遺族の心中を察するに鉄道事業者として申し訳ない気持ちでいっぱい。お客さまへの対応と、ダイヤ復旧に全力を尽くす。
−事故状況について。
村上恒美・安全推進部長 現場はカーブで、70キロ以下の速度制限。車両は207系の7両編成。運転士は2000年4月入社、乗務歴11カ月の23歳で、車掌は経験15年の42歳。
【事故の状況】
−脱線後に車と衝突したのか。
村上 判明していない。事故と車との因果関係については調査中。
−直前の伊丹駅でオーバーランしたようだが。
村上 停車位置を8メートル過ぎたらしい。修正し1分半の遅れが出た。塚口駅を1分遅れで通過。
−制限速度を超えたか。
村上 速度は把握できていない。ブレーキをかけたかも分からない。
−電車の遅れについて、修正するよう指令があったか。
村上 分からない。
−脱線が起きる速度は。
村上 設計上約133キロ。これ以上になると脱線の可能性がある。
−現場のカーブに脱線防止レール設置義務は。
担当部長 低速の場所で整備し、70キロの場所では設置されていない。 −事故の一報は。
村上 指令と車掌とのやりとりが残っている。車掌が伊丹駅でオーバーランの状況報告を無線と携帯電話で報告中、発生した。
−内容は。
三浦英夫運輸部長 午前9時17分57秒、無線で「伊丹駅でオーバーランがありました。1分30秒遅れて走行しています」。指令から運転士に呼び掛けたが応答していない。携帯で車掌が「急ブレーキがかかって停車した。なぜか分からない」「脱線事故です」と連絡があった。
【置き石の可能性】
−線路に異常は。
担当者 事故後調査したが、当該区間はデータ上、異常はなかった。
村上 レール上に石の粉砕痕を確認した。事故との関係は不明。
担当部長 7両目の約5メートル後ろ。進行方向左側のレール。車輪によって粉砕されたような白い粉がある。
−枕木に傷は。
担当部長 現時点では粉砕痕のみ。
−前の列車が通過してからの時間は。
担当部長 ダイヤ上は約3分前。8時55分までさかのぼって調べたが、異常はなかった。
−4分半の間に置かれたのか。
三浦 何かあればそういう可能性が大。
−脱線時に巻き込んだ可能性は。
担当部長 理屈上は想定されるが分からない。人が入れる場所は、近くにある。
−過去の置き石は。
丸山俊施設部長 過去3年にさかのぼって調べた。マンションから約20メートル離れた踏切で昨年8月に置き石があった。
−粉砕痕は石を跳ね上げた可能性もあるか。
丸山 通常の走行ではあり得ない。置き石と考える。
−それが脱線原因か。 丸山 事故調査委員会で判断する。当社ではなんとも言えない。置き石はJR西日本管内で年間150−200件ある。
−制限速度内でも置き石で脱線する可能性は。
丸山 理屈としてある。
−とびとびに粉砕痕があったということは。
丸山 数個の石が置いてあったのではないか。
−JRになってから置き石で脱線したことは。
丸山 ない。
【運転士】
村上 運転士は2004年6月8日に片町線下狛駅で100メートルのオーバーランを起こし、訓告処分。
三浦 処分は車掌区時代に2回。02年に訓告、03年8月に厳重注意。見習いの乗務員を乗せていたが、2回ほど目がうつろになったと乗客から指摘があった。運転士で1回。これだけの回数は多いと考えている。
−運転士の健康状態。
三浦 運転前に点呼するがそういう話はない。睡眠時無呼吸症候群の疑いはなしと聞いている。
−前回のオーバーラン後の研修は。
担当部長 6月9日から延べ13日間、日勤教育し、現場長から問題ないということで再度乗務についている。
−慣れた運転区か。
三浦 11カ月経過し慣れていると思う。
−適性検査などはないのか。
三浦 適性検査をして合格した社員しか乗務員になれない。
−車掌が警察の調べに「いつもよりスピードが出ていた気がする」と言っている。
村上 指令とのやりとりでは出ていない。
(共同)
(04/26 01:13)
